京都の健康食品店・代替療法普及センター「黒米母湯の悠悠」がお届けする、健康な暮らしと食生活についての情報です。

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1.脱臼の予防  赤ちゃんを股関節脱臼にしないように

○生後に脱臼することが多い
赤ちゃんの股の関節がはずれているのを、先天性股関節脱臼と言っています。しかし、実は、生まれてから、後天的にはずれていくことが多いことが、ここ30年来分かってきました。

○生まれたその日から
赤ちゃんが生まれたその日から、産院などで、股オムツや、ゆったりとしたベビー服を用いるように変えてから、赤ちゃんの股関節脱臼の発生が著しく少なくなり、巻きオムツや、それ用のカバーや、タイトなズボンやおくるみを用いていた頃の1/30~1/50になりました。
特に生後1日目に足を伸ばして扱うと、はずれやすいのです。それは、すじが延びやすいという、お産のために母体に備わっている一時的なすじの性質が、生後1日目には赤ちゃんにも強く残っているからです。一見つまらないような、ごく日常的な注意が、何よりも大切なことだったのです。おむつがとれるまで、この注意を守って下さい。

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○予防の普及
初めは、国立京都病院での研究と、伏見区保健所での研究でしたが、1975年に筆者が全国の学会に発表して以来日本中に、そして世界中に広がりました。しかし、正しい抱き方の普及が不十分です。次の”コアラ抱っこ”を生まれたその日から実行して下さい。この予防の成果は、たくさんの先人たちの研究成果があってこそ成し遂げられた、日本のオリジナルです。プライドと自信をもって一人でも多くの人に広めて、人々の福祉に役立てて下さい。

○間違った予防の考え
オムツを股の間にたくさん当たるように、お母さんに指導をする人がありますが、それは、正しい予防とは言えません。無理に股を開かせることは良くないのです。曲げた自然な足の形のままに扱おう、というのが、この予防です。股の間にオムツをたくさん当てるのは危険ですし、下のほうへオムツがずれて、結果的には、巻きオムツのように、足を伸ばすことになります。予防はオムツをたくさん当てることではありません。

○悪い抱っこの仕方
悪い抱っこの仕方一般的に言う横抱きという抱き方は脱臼の予防にとって悪いのですが、こんな方法が間違って広められてしまいました。母親の手を赤ちゃんの股間に入れて抱いても予防にはならないのです。正しくない方法を一刻も早く改めなければなりません。

○コアラ抱っこ
coara01.gif赤ちゃんの足を、お母さんに向かい合わせにして、生まれたその日から抱いて下さい。これを、”コアラ抱っこ”と名づけました。
(1)は、生まれたばかりの時や、母乳を与える時に良い方法です。(2)のようにすると、慣れてきたら片手でも抱けます。この時、お母さんの曲げた肘のところにタオルを置くと、赤ちゃんもお母さんも楽です。

2005年01月07日 : 14:44 | コメント (0) | トラックバック

2.心の苦しみの予防 赤ちゃんを良く抱き、母乳で、心を育てよう

○目を見ての対話
コアラ抱っこのもう一つの利点には、お母さんと赤ちゃんとが、目や顔を見合わせて、あるいは声や音も交えて、笑顔の対話ができることです。これが、人と関わりあうための、最初の大切な練習です。この練習が、関わり合いを広げて大人の心になっていく基盤になるのです。

○広いスキンシップ
コアラ抱っこの利点には、母と子のスキンシップの面積が広くて、赤ちゃんに安心感を与えやすいこともあります。この安心感は、赤ちゃんの自我の発達に、とても良い影響を与えます。そのわけは、へその緒を切られた赤ちゃんは、独立した一人の人間として生きていかねばなりません。その為に一番大切なことは、「自分が自分である」という感覚を、無意識につかんでいることです。この無意識の感覚の事を、存在感、アイデンティティー、あるいは自我と言います。それで、「母親に抱かれている自分」、「母乳を吸って母親と深く関わっている自分」として、赤ちゃんは初期の存在感を獲得します。そしてそれを基にして自信を得て、心はうまく発達してゆきます。
もしも、この初期の存在感の少ない心になりますと、生きる意欲が少なくなり、しかも、心を病みやすい人間になってしまいます。正しい自然にさからわない初期育児が大切です。一方、母親の方も、広いスキンシップによって母性愛が豊かになり、育児に良い影響を及ぼします。そうすれば児童虐待など起こりようもありません。

○抱いて育てよう
「抱きぐせをつけるな」という間違った言葉が、日本中に広がってしまっていて、この言葉を知らない人がいないくらいでした。しかし間違いは、はっきりと勇気を持って正すべきです。赤ちゃんを生まれたその日からよく抱くことが、初期育児のコツです。

○母乳育児を
故・山内逸郎先生(国立岡山病院名誉院長・小児科医)の言われたように、生後30分から母乳を与えるのです。お乳が出ても出なくてもいいから、乳首を赤ちゃんになめさせることによって、母乳育児は必ず成功し、母子関係もうまくいき、母親が夫や周囲にの人にもますます優しい心になれるという、故・山内先生の長年の経験からの実証があるのです。そのように指導して、実行して下さり、母子即日同室を取り入れる産院が最近増えつつあります。赤ちゃんはおっぱいを飲みながら、お母さんの全て(匂い、優しい声、ぬくもりなど)を受け取って、心が安定するのです。

○父親などの役割
赤ちゃんを抱いて母乳を飲ませる育児に母親が安心して専念できるよう、色々な心配りをすることは、父親などの役割の一つです。そして母親が不安な時には、背中や胸を優しくさすってあげることです。そのほか、母親より少し離れた関係にある父親などと、にこやかに付き合えることを子供に教えることも、父親などの役割です。この付き合いが、子供の心を大人へ発達させる最初の足がかりになるのです。そして、叱りすぎたり、先回りした躾をしすぎない父親等の心がけも、子供の主体性を発達させるために大切です。あとは、親が口出しをし過ぎないように、そして、にこやかな愛の環境づくりをすることでしょう。

○正しい育児による民族改革
赤ちゃんをよく抱いて育てる初期育児と、母乳育児が、全国に普及すれば、日本民族の心の改革になっていくでしょう。心の落ち込みから派生するいじめ、不登校、麻薬、理由のない殺人など、今日の社会の何問題を乗り切る方法は他にあまり見当たりません。すでに、山内先生の母乳育児の普及活動が実を結び始めています。ここ数年、しっかりとした目つき顔つきで、しかも、にこやかで優しく、自信を持った、生き生きとしている子供が増えています。一方、お母さんも、母性愛に満ちた目や顔と、優しい態度の方が多くなってきました。

○むすび
育児法が、少しずつ正しい方向に変わってきています。そのよい流れに乗り遅れないようにして下さい。「コアラ抱っこでよく抱いて、母乳を与えながらよく語りかける」という、正しい育児法を生後一日から守って下さい。これが育児の基本です。決して甘やかしや過保護ではありません。あとは、親が口を出し過ぎないようにして、そして、にこやかな愛の環境づくりをすることでしょう。
これらのことは、もともと自然が与えている育児のやり方ですから、間違いのないことです。現代は育児についての情報過多時代なので、迷いも多いと思います。しかし、迷うことはありません。以上述べました、育児の基本を忘れないようにして下さい。そうすれば、必ずや、幸せがあなた方のものになるでしょう。

元国立京都病院医長、現京都龍谷大学非常勤講師石田診療所石田勝正

参考図書
1.山内逸郎「はじめての母乳育児と心配ごと解決集」婦人生活者
2.山内逸郎「新生児」岩波新書
3.山内逸郎「母乳は愛のメッセージ」山陽新聞社
4.石田勝正「生きる原点-心のはたらきを科学する-」ネオ書房
5.石田勝正「図説・先天性股関節脱臼」金原出版・愛光出版
6.石田勝正「抱かれる子供はよい子に育つ」PHP研究所
7.石田勝正「心ってなんだろう」広池学園事業部
8.石田勝正「抱かれる子供はよい子に育つ」PHP文庫

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