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賢い患者になるためのABC(3)医療の限界を知る (05)賢い患者になるためのABC・今中孝信先生)

医学の進歩には目覚ましいものがありますが、それがそのまま人間の長寿には結びつきません。専門診療は科学に裏付けられていますが、臓器の病気を中心に人間を部分的、分析的にとらえ研究しています。いわば、人間を虫眼鏡で見ているようなものだからです。

例えば、我が国の国民病であった肺結核が減った理由は、ストマイやパスなど結核の薬によるものと考えられていますが、それだけではありません。感染症は栄養状態の善し悪しと大いに関係します。実は結核の薬が使われる以前、日本の経済状態が良くなってきた時期から、すでに結核は減少カーブを描いていたのです。現在でも世界を見渡せば、貧しい国では肺結核が問題ですし、平均寿命も40歳台なのです。日本人の平均寿命が延びた理由も、誰でも医療を受けられる医療制度の充実だけではなく、50年以上にわたり平和が続いていること、栄養が改善したこと、衛生状態がよいことなどが重なってのことだと私は考えています。

ちなみに、世界中の医師が読んでいる医学雑誌「New England Journal of Medicine」の名編集長として有名なインゲルフィンガー氏は、1977年に病気の治療に果たす医療の役割を分析し、医療によってよくなる病気が11パーセント、医療によって悪くなる病気が9パーセント、残りの80パーセントは医療によって変わらないとしています。

こういうショッキングな論文が出ますと、いろんな分野で大きな影響が出ます。普通は反論が出るものです。結論の導き方がおかしいとか、その根拠としているデータがおかしいとか、分析の仕方を変えたら別の解釈もできるとか、いろんなクレームが出てもおかしくありません。追試といいまして、別の人が同じ方法でやり直してみることもあります。ところが、氏の論文が発表されてから現在に至るまで、論文に欠陥があったという論文は出ていないのです。

むしろ、これを支持するデータがアメリカ政府から発表されています。そもそも、病気の治療をするのは病気があると長生きできないという考えに基づいています。薬を飲むことによって病気がどれだけ減ったということよりも、どれだけ生きられたかということが大事なことです。別の言い方をすれば、亡くなる原因に病気がどれだけ関係しているかです。

アメリカ政府の死因に関する発表によりますと、医療システムの問題で亡くなっているのが10%、生まれつきの遺伝的な問題が死因にかかわっているのが20%、環境問題に原因があるのが20%、残る50%は生活習慣病です。これは個々人の生き方の問題です。だれの責任でもありません。自分が種をまき、長い年限にわたって育ててきた病気です。分身ともいえるものですから根本的な治療法はありません。

このようにみてきますと、科学としての医学が皆さんから非常に頼りにされ、そのうち医学の進歩によって不老長寿が実現されると期待する人もありますが、夢物語であることを理解していただけるのではないでしょうか。最近は遺伝子によって寿命が決まっていて、遺伝子を操作すればいくらでも生きられるというバカな学者がいますがとんでもない話です。寿命というのは、遺伝子だけでなく、個人の生き方、栄養状態、環境、ストレス等の総和で決まると私は考えています。
(つづく)

2005年01月13日 2005年01月13日 11:52

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